大企業は新規事業を取り入れるべき?成功の秘訣も合わせて解説
公開日:2023.03.03更新日:2023年3月6日
「大企業は新規事業を取り入れるべき?」
「大企業が新規事業に成功するための秘訣は?」
「大企業が新規事業の際にぶつかる壁とは?」
絶え間なく情報が移り変わる市場において、常に新たな事業を打ち出し画期的な事業を実現していくことは企業にとって有益である。
大企業においても新規事業への参入は重要であるが、大企業であるからこそ陥りやすい課題も存在する。
新規事業に成功するために重要な秘訣を抑え、適切な問題解決策を実行することによって、企業の価値を高める新規事業の実現が可能になる。
本記事では、大企業に新規事業の開発は必要であるかについて、そして、大企業が新規事業に成功するための秘訣について紹介する。
大企業にも新規事業の開発は必要か
既に成功をおさめている大企業であっても、新規事業に積極的に取り組んでいるケースが多くみられる。
その理由のひとつとして、国内市場の成熟化や製品サイクルの短縮化が考えられる。
どれだけ性能の高い製品であっても、一部の定番商品を除いては必ず衰退期を迎える。
とくに情報伝達の高速化が顕著になってきている現代において、顧客や市場のニーズは移り変わりやすく、さらに技術革新のスピード化によって製品技術の陳腐化も引き起こされている。
これらの現状から、収益低下によって身動きが取れなくなる前に別軸の収益を確保することがどの企業に対しても求められている。
大企業が新規事業を行う際にぶつかってしまう壁とは
大企業は既に優秀な人材や十分な予算を確保しているため、市場において優位性が高いと捉えることも可能だが、実際には大企業であるからこそ陥りやすい問題点も存在する。
もっとも起こりやすい問題点に「目的や方向性が定まっていない場合がある」ことが挙げられる。
新規事業におけるビジョンやミッションが不明瞭なまま新規事業が進行すれば、次第に軸となる目標がわからなくなってしまい、部門全体で迷走状態に陥ってしまう危険もある。
仮にビジョンやミッションを打ち出したとしても、参加するメンバーがまったく同じ認識を持つとは限らない。
例えば、「自由な発想で新規事業を立ち上げる」というミッションに対して、目的や方向性を同じ言葉で説明しても、違うイメージで想像してしまうことがある。
例:誰もやったことがないアイデアを0から考える
例:「自社らしい新規事業」を考える
例:収支規模や利益を常に重視する
例:社会貢献などの課題解決を考える
これはかなり極端な例だが、目的や方向性がずれたまま検討が進んでしまう
というケースは往々にして存在する。
新規事業開発では、自社が取り組むことでどのようなポジティブな作用が期待できるのか、新規事業によってどのようなインパクトを起こせるかなど、なぜ自社が新規事業に「今」検討しているのか、具体的な方向性について明確化し、プロジェクトに取り組むメンバー自身がその方向性を把握・実現していくことが重要だ。
大企業の新規事業の成功例
ここでは、大企業による新規事業の成功例として「日立のIoTプラットフォーム『Lumada』」の事例を紹介する。
「日立のIoTプラットフォーム『Lumada』」の事例では、日立が2016年にリリースしたIoTプラットフォーム「Lumada』がその功績を認められ、経済産業省と東京証券取引所が認定する「DXグランプリ2021」を受賞した。
日立が5年という長い期間を費やして実現させた『Lumeda』に関する事業の成功要因には「既存ビジネスを深化させたこと」「業態変革・新規ビジネスモデル創出の実績を示したこと」「DX実現能力に長けていたこと」が挙げられる。
大企業が新規事業を成功させる秘訣
大企業が新規事業を成功させるための秘訣は、次の4つである。
- 新規事業の目的を明確にする
- 顧客をイメージする
- 「気づき」を育てる
- 周りを巻き込みコミュニケーションを活性化させる
4つの秘訣について、くわしく紹介する。
新規事業の目的を明確にする
最重要ポイントとして、新規事業の目的を社内で明確化することが欠かせない。
熱意をもって継続的に新規事業に取り組むためには「なぜ自社で新規事業に取り組むのか」「新規事業によってどういった結果を得たいのか」といった具体的な目的を明確に把握することが必要だ。
目的の明確化は新規事業を進めるうえでの原動力・熱意に繋がる。
顧客をイメージする
顧客が求める製品・サービス開発を叶え、新規事業開始後に顧客からの支持を得るためにも、新規事業を行う際に顧客のニーズを正確に把握する段階が重要である。
具体的に「どのような場面で製品・サービスが必要とされるか」「ニーズを感じる顧客がどれだけいるか」「顧客が対価を支払うほどの強いニーズは何か」など、客観的な視点で具体的な顧客像を掴む必要がある。
顧客の悩みや課題に寄り添い、課題解決策として製品の開発を実現することが重要である。
「気づき」を育てる
時世によって移り変わる社会の動向に対し、世の中に溢れるあらゆる情報のなかから、これまでとは異なる視点や新しい視点に気づき、積極的に情報を取りに行く姿勢が大切である。
得られた情報をもとにさまざまな物事との結びつきを連想することも、気づく視点を育てることに繋がる。
一見関係のないようなことでも「気づき」から試行錯誤を試みることで、事業の種の1つへと成長する可能性がある。
周りを巻き込みコミュニケーションを活性化させる
大企業における新規事業において課題となるのが、迅速な社内合意の形成である。
部門・業種を超えていかにスムーズな連携を取れるかによって、円滑な事業推進の可否が決定づけられる。
大企業において新規事業を円滑に進めるためには、組織全体を俯瞰したうえで、事前に重要人物と深いコミュニケーションを取っておくことが必要だ。
社内におけるコミュニケーションを活性化させることで、より高品質なアイデアを思索できるようになる。
大企業でも新規事業は高い壁
高い資金力や豊富な人材を抱える大企業でも、新規事業立ち上げの際にはぶつかる壁が多い。
新規事業を円滑に進めるためには、事業の目的を明確化させたり、社内のコミュニケーションを活性化させたりすることが必要だ。
よりよい製品・サービスを生み出せるような体制や準備を整え、万全の体制で新規事業に取り組もう。
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この記事の監修者
株式会社フィンチジャパン 代表取締役
早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。
出版
PR Times記事
『https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>』
ZUU online記事
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