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X-techとは?16事例に学ぶ既存産業のデジタルトランスフォーメーション

                   
-Tech(X-Tech)
公開日:2019.02.04更新日:2019年2月1日

X-tech(クロステック)とは、ITの力を活用して既存産業に今までにない新たな価値や仕組みを提供することを指す。X-techは、まだまだ未開拓の領域であるため、新規事業を考える企業にとっては、ぜひとも知識を入れておきたいジャンルともいえるだろう。本記事では、X-techの概要と実際にどんなものがあるのか16個のX-tech事例を紹介したい。

X-techとは、既存産業に新たな価値や仕組みを提供すること

X-techの定義はさまざまあるが、ここでは「既存産業にITの力を活用し、今までにない新たな価値や仕組みを提供すること」としておこう。

金融や不動産、医療、教育、スポーツなど幅広い分野でX-techが見られている。新規事業を検討しているのであれば、まずはどの分野で勝負するのか決める必要がある。

X-techの事例

X-techには、いくつかの種類がある。その中でも、最近話題を集めている16種類の「〇〇tech」(〇〇テック)について紹介する。

金融:Fintech(フィンテック)

「Finance(金融)」×「Technology」の造語であるフィンテックは、X-techの中で、最も有名であろう。

事例としては、モバイル決済が代表的だ。スマホを読み取り機にかざすだけで瞬時に決済ができるため、現金を持ち歩かなくても買い物が可能になった。ブロックチェーン技術もFintechを実現する代表的な技術だ。

不動産:REtech(リーテック)、PropTech(プロップテック)

「Real Estate(不動産)」×「Technology」の造語である。不動産のデジタルトランスフォーメーションを指す時は、「Property(不動産)」×「Technology」でPropTech(プロップテック)という言い方や、そのままズバリ「不動産テック」と呼んだりもする。

RETechは、土地の取得や分譲、賃貸などに技術を取り入れ、新たな価値を生み出すことを指す。物件探しにAI技術を組み合わせたコンシェルジュサービスや属人的な要素が多かったプロパティマネジメントのIT活用などもRETechの一つである。

マーケティング:MarTech(マーテック)

「Marketing(マーケティング)」と「Technology」の造語である。

MAツール(マーケティングオートメーションツール)の運用やLTV分析、顧客CRM管理などに活用されている。顧客のニーズが多様化して、コンバージョン率を高めるために複雑な条件での情報配信が必要な昨今では、Martechはマストといえよう。

小売:RetailTech(リテールテック)

「Retail(流通)」と「Technology」の造語である。

ITの力を借りて在庫管理などを進めている。在庫を多く持つ企業にとって欠かせない。

事例としては、無人店舗のAmazonGoは、シェルフから取り出した商品を自動で認識して決済する店舗として大きな話題となった。今後は無人化店舗ソリューションの実証実験も増えてくるだろう。

広告:AdTech(アドテック)

「Advertisement(広告)」と「Technology」の造語である。

顧客情報や位置情報を活用したリスティング広告やディスプレイ広告、SEMなどが代表的だ。インターネットが普及している現代では、紙媒体の広告よりも電子媒体の広告の方が重要であると認識されており、大量の情報をリアルタイムに処理して広告配信を最適化するサービスが国内外で増えてきている。

医療:MedTech(メドテック)

「Medical(医療)」と「Technology」の造語である。

医療機関へのインターネット予約や電子カルテ、投薬管理サービスなどが代表的である。単に人員や紙の削減につながるだけでなく、治療アドヒアランスの向上につながる期待から、今後MedTechを活用する医療機関が増えていくと考えられる。

健康:HealthTech(ヘルステック)

「Healthcare(ヘルスケア)」と「Technology」の造語である。

睡眠のサイクルや生理周期を把握するアプリやニコチン依存症対策アプリ、軽度認知症アプリなどが有名だ。2014年に薬事法が改正され、単体のソフトウェアを医療機器として申請できる様になったというコンペリングイベントがきっかけとなった 。

それにより今後は北米の様に治療用アプリを展開するHealth Techのスタートアップが登場するに違いない。

教育:EdTech(エドテック)

「Education(教育)」と「Technology」の造語である。

タブレット端末を活用したペーパーレスの授業、インターネットを介したサテライト授業などがある。最近では、英会話用ロボットを導入する学校も現れている。近い将来、AIが教育サービスを提供する日がくるかもしれない。

人材:HRTech(HRテック)

「Human Resource(人材)」と「Technology」の造語である。

採用管理を自動で行うサービスや、人材のデータ(タレントデータ)をビックデータとして有効活用するサービス、組織の活性度をモニタリングできるクラウドツールなどが代表例。働き方改革への関心が高まる昨今、今後、多様なサービスが登場するだろう。

農業:AgriTech(アグリテック)

「Agriculture(農業)」と「Technology」の造語である。

ドローンを活用した農地の現状把握、生産量のデータ管理などが典型的。ドローンに関しては、行政機関も活用しており、台風被害にあった際の農地の被害状況確認などに活用されている。

環境:CleanTech(クリーンテック)

「Clean(環境)」と「Technology」の造語である。

再生可能エネルギーやスマートグリッド、浄水技術などのを総称する。海外では海水のゴミを巨大な網で掃除するという構想を打ち立てたスタートアップも登場しており、従来の発想ではないスケールの大きな事業が多いのも特徴。

政治:GovTech(ガブテック)

「Government(政府)」と「Technology」の造語である。

Gov Techについては、シンガポールやエストニアが有名である。シンガポールでは、高齢者の家にモニタリングできるセンサーを設置し、安否を家族が把握できるようにしている。エストニアは国民IDでさまざまな行政サービスを利用することができる。エストニア発のスタートアップ企業が日本でもサービスを展開している。

法律:LegalTech(リーガルテック)

「Legal(法律)」と「Technology」の造語である。

最近では、弁護士や司法書士、行政書士と顧客を結びつけるマッチングサービスや契約文書をAIが読みリスクを判別するサービスなどが登場してきている。遠隔地でも士業のサービスを受けられるだけでなく、企業の法務業務も効率化される期待から、今後ますますサービスが増えてくるだろう。

スポーツ:SportsTech(スポーツテック)

「Sports(スポーツ)」と「Technology」の造語である。

スポーツ選手における肉体のデータ分析・管理が有名だ。北米ではスタジアムに高度センサーが設置されておりリアルタイムに膨大なデータを収集して分析に活かしている。日本でもプロ野球チームや駅伝の出場校などが積極的にこの技術を活用している。SportsTechの技術を提供しているイスラエルのスタートアップには世界中から依頼が来ている。

ファッション:FashTech(ファッシュテック)

「Fashion(ファッション)」と「Technology」の造語である。

最近では、アプリを利用して自分の写真を撮影することで、3サイズがわかり、自分に合った服を選ぶことができるサービスが提供されている。ZOZOTOWNが提供しているゾゾスーツもこの一つだろう。

食料:FoodTech(フードテック)

「Food(食)」と「Technology」の造語である。

IoTを活用した冷蔵庫が近々登場すると言われている。この冷蔵庫は、冷蔵庫内の物(例えば、ジャガイモやブロッコリー、マヨネーズなど)が不足した場合、インターネットを介して自動で商品の購入をしてくれるというものだ。 こうした一般家庭の用途に限らず、例えば小売店の食 品ロス( 売れ残りや期限を超えた食品、食べ残しなど、本来なら食べられたはずの食料)を防ぐ手立てとして活躍が期待されている。

まとめ

16のX-tech事例を見てきたが、技術的にはAIやRPAといった新しい概念が登場してきているものもあれば、これまでの技術で実現できるものもある。

X-techというのは、いわばデジタルトランスフォーメーションを社会や産業が受け入れてきた現象と理解した方がいいだろう。働き方改革や労働人口の減少、高齢化によって、北米だけでなく日本でもデジタルトランスフォーメーションは、総論として社会や産業から好意的に受け入れられている。

今後、それぞれの産業でX-techが当たり前になる時代を目指して、多くの新規事業やスタートアップが登場するはずだ。

○○×ITの造語「X-Tech」とは|定義と代表的な15のテクノロジー

X-tech(クロステック)サービスの種類

クロステック(X-Tech)とは、18業界紹介 なんとかテック

X-Techとは何か

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この記事の監修者

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株式会社フィンチジャパン 代表取締役

高橋 広嗣

早稲田大学大学院を修了。
野村総合研究所経営コンサルティング部入社。
経営戦略・事業戦略立案に関するコンサルティングを実施。
2006年に当社を創業し現在に至る。
以来、一貫して事業開発プロジェクトとスタートアップ投資を行っている。
対外活動も積極的に行っており、顧客満足を科学した結果を発表したり、宣伝会議講座では事業開発の講義も実施している。

出版

半径3メートルの「行動観察」から大ヒットを生む方法

PR Times記事

https://prtimes.jp/main/html/searchrlp/company_id/53478>

ZUU online記事

https://zuuonline.com/authors/d7013a35

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